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統合失調症

統合失調症(Schizophrenia)には分子整合精神医学(Orthomolecular Psychiatry)が有効
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統合失調症

   統合失調症(Schizophrenia)は、2002年までは精神分裂病と呼ばれていました。 10代~40代の比較的若い世代に多い病気で、約100人に1人がかかる心の病ですので、 決して珍しい病気ではありません。

統合失調症の症状

   主な症状としては、 人とのコミュニケーションが上手く取れなくなり、頻繁にイライラし、疲労度が増し、 意欲が低下したり、自閉傾向になるなど、うつ病や不安障害と同じような陰性症状が表れ、 記憶力・集中力・思考力・判断力などの知的能力が低下します。 そして、統合失調症の最も顕著な特徴が、『誰かが自分を殺そうとしている』、あるいは『自分は神だ』などという妄想、 幻聴や幻覚、意味不明な言葉の発言、思考の混乱、あるいは興奮症状などの陽性症状があらわれる点です。
パラノイア(妄想症:Paranoia)の場合、他人を傷つけるケースがありますので、入院して治療するのがベストな選択でしょう。 しかし、本人が抱く妄想は、妄想を抱いた本人から見れば正常ですので、入院の説得には困難を極めます。
例えば、パラノイアであるの若い女性が、 ストレス、亜鉛不足の食事、あるいは精製糖の多量摂取により亜鉛不足に陥り、このため生理が数ヶ月無くなり、 『キリストの子供を宿した』という妄想を抱いたとします。 家族はあわてて心療内科を受診することを薦めますが、本人は自分は健康だと主張して、心療内科に行こうとはしません。 妄想を抱く本人にとっては、『家族は自分の主張を全く聞き入れてくれない』というジレンマに陥り、さらに症状を悪化させてしまいます。

統合失調症の分類

   Dr. C.C. Pfeiffer により、5,000人以上の統合失調症患者を分類した結果、 95% の患者が以下の5種類のバイオタイプ(Biotype)に分類されることが明らかにされました (分子整合医学(Orthomolecular Medicine)関連[2])。
  1. ヒスタペニア(Histapenia) ・・・ 血中ヒスタミン濃度が低く、銅が過剰(統合失調症患者の約 50%)。
  2. ヒスタデリア(Histadelia) ・・・ 血中ヒスタミン濃度が高く、銅が不足(統合失調症患者の約 20%)。
  3. パイロルリア(Pyroluria) ・・・ 亜鉛とビタミンB6の不足(統合失調症患者の約 30%)。
  4. 大脳アレルギー(Celebral Allergy) ・・・ 小麦グルテン(Wheat-Gluten)により引き起こされる(統合失調症患者の約 10%)。
  5. 低血糖症(Nutritional Hypoglycemia) ・・・ 糖分を取りすぎると、食後にインスリンが大量に分泌され、その結果低血糖症になります(統合失調症患者の約 20%)
複数の患者が複数の障害に該当しますので、合計は 100% になっていません。 そして、分類された患者の90% の患者がリハビリに成功したということです。

統合失調症の原因

   統合失調症は、前述の通り、ほぼ5種類のバイオタイプに分類され、かなり高い確率で回復していますので、 本質的な原因は、『脳の栄養状態の悪化』と言えるでしょう。 しかし、統合失調症に至る原因は様々であり、以下の通り、 『よく知られた原因』、『あまり知られていない原因』、あるいは『ほとんど知られていない原因』に分類されます (分子整合医学(Orthomolecular Medicine)関連[2])。

よく知られた原因

  1. 麻痺性痴呆(Dementia Paralytica)。
  2. ペラグラ(Pellagra):ナイアシンの欠乏による皮膚、消化器、神経などの疾患。
  3. ポルフィリン症(Porphyria):ポルフィリン代謝異常による疾患。ポルフィン環を含む化合物をポルフィリンと呼びます ポルフィリンは鉄と結合し、ヘモグロビンやミオグロビンのような生物学的に非常に重要なヘム(二価鉄とポルフィリンの錯体)を形成します。
  4. 甲状腺機能低下症(Hypothyroidism)。
  5. 薬物中毒(Drug Intoxication)。
  6. ホモシスチン尿症(Homocystinuria)。
  7. 葉酸(Folic Acid)あるいはビタミンB12欠乏症。
  8. 睡眠遮断 (Sleep Deprivation)。
  9. 重い金属毒性 (Metal Toxicity)。

あまり知られていない原因

  1. 低血糖症(Hypoglycemia)。
  2. 精神運動てんかん(Psychomotor Epilepsy)。
  3. 大脳アレルギー(Celebral Allergy)。
  4. 小麦グルテン(Wheat-Gluten)に対する敏感性が原因です。
  5. ヒスタペニア(Histapenia) ・・・ 銅の過剰が主原因です。
  6. ヒスタデリア(Histadelia) ・・・ 高ヒスタミン濃度が主原因です。
  7. パイロルリア(Pyroluria) ・・・ 亜鉛とビタミンB6の不足により起こります。
  8. ウィルソン病(Wilson's disease) ・・・ 脳や肝臓などに銅が異常に蓄積することにより腎障害と精神障害を起こす劣性遺伝病です。
  9. 慢性カンジダ感染(Chronic Candida Infection)。
  10. ハンチントン舞踏病(Huntinton's Chorea) ・・・ 慢性進行性の舞踏病様不随意運動と痴呆を主体とする神経変性疾患です。 全身の不随意運動のみ着目されるため、1980年代からハンチントン病(Huntington's Disease)と呼ばれています。

ほとんど知られていない原因

  1. ロスタグランジン(Prostaglandins)・・・ 血管拡張や子宮筋収縮などの作用がある強力なホルモン物質で、脂溶性カルボン酸の一種です。
  2. ドーパミン(Dopamine)過剰。
  3. エンドルフィン(Endorphin)・・・ 脳や脳下垂体に存在するモルヒネ様作用を持つペプチド。
  4. セリン(Serine)過剰。セリンとは、タンパク質を構成するα-アミノ酸の一種。
  5. プロラクチン(Prolactin)過剰。プロラクチンとは、脳下垂体から分泌されるタンパクの一種で、乳腺を発達させ、乳汁分泌を促進する作用をもつ。
  6. 透析療法(Dialysis Therapy)。
  7. セロトニンの不均衡 (Serotonin Imbalance)。
  8. ロイシン(Leucine:必須アミノ酸の一種)、ヒスチジン(Histidine:タンパク質を構成するアミノ酸の一種で、分解してヒスタミンになる)の不均衡。
  9. インターフェロン(interferon:ウイルス感染の阻止作用を持つタンパク質の一種)、アマンタジン(Amantadine:抗ウイルス薬)、 抗ウイルス薬(Anti-viral Drugs)および薬の毒性(Drug Toxicity)。
  10. モノアミン酸化酵素(Monoamine Oxidase:MAO)中の欠損血小板(Platelet Deficient)。

統合失調症の治療法

   薬物療法としては、主にドーパミン受容体拮抗作用を持つ抗精神病薬が使用されます。 また、不安症状が強い場合が多く、抗不安薬が併用されることもあります。 症状の進行に伴い、うつ症状が出る場合には、SSRIなどの抗うつ薬も使用されます。 また、認知行動療法(CBT)も併用されるようになってきています。
   最近では、分子整合精神医学(Orthomolecular Psychiatry)の特徴の一つであるビタミン大量療法、即ちメガビタミンセラピー(Megavitamin Therapy) の認知度が上がってきましたが、最初にメガビタミンセラピーが適用されたのが統合失調症患者でした。 1952年、Dr H. Osmand and Dr. A. Hoffer は、電気けいれん療法との併用という形で、 ビタミンB3(ナイアシンおよびナイアシンアミド)を30人の統合失調症患者に投与する実験を行いました。 その結果、ビタミンB3を投与した場合は、偽の薬(placebo)を投与した場合に比較して、1年以内に回復する患者の割合が2倍に達しました。
北米における近年の分子整合精神医学では、ビタミンB3が単独で投与されることはまれで、 他のビタミンやミネラルおよび神経遮断薬 (Neuroleptic Drug)を併用した栄養剤大量療法(Meganutrient Therapy)が一般的のようです。 10万人の統合失調症患者による北米の包括的なテストにより、この治療法がすばらしい成果を上げています (分子整合医学(Orthomolecular Medicine)関連[1])。
   うつ病の治療が難しい理由 で述べた通り、抗不安薬やSSRIなどの抗うつ薬は、心の病を本質的に治療する薬ではありませんし、心の病をさらに悪化させるケースもあります。 このため、心の病を本質的に治療する方法としては、このような薬の服用は最小限に抑え、 認知行動療法(CBT)分子整合栄養医学を活用するのが良い方法だと考えています。
分子整合栄養医学は、欧米では、心の病の治療方法としてかなり実績を上げ、普及してきていますが、 日本ではまだそれほど普及していないようです。 それでも、検索エンジンで検索すると、いくつかの専門機関がヒットしますので、相談してみると良いでしょう。
最終更新日:2011年6月13日

  

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