薄毛・抜け毛対策のヘアケア
毛根・髪の毛の構造に示したとおり、
髪の毛の外側には、細かなウロコ状の硬い無色透明なキューティクルがあり、髪の毛を保護しています。
キューティクルは、密で整っている状態が、健康でツヤと柔軟性をもった美髪の基本です。
ここでは、薄毛や抜け毛を防ぎ、美髪を作るための頭皮と髪の毛のお手入れ方法(ヘアケア)についてご紹介しましょう。
頭皮は、汗や皮脂、整髪料、埃、あるいは50種類とも言われる皮膚常在菌の排出物などにより毎日汚れています。
この状態を放置しておくと、
自然脱毛と異常脱毛に示したとおり、
毛穴の入り口に角栓が形成され 毛穴が閉塞してしまい、異常脱毛の原因になります。
髪の毛の寿命を決めるヘアケア - 薄毛・抜け毛対策の頭皮と髪の正しいお手入れ方法
薄毛・抜け毛対策として、育毛を考えたヘアケア(頭皮と髪のお手入れ)を考えてみましょう。
ヘアケアは髪の毛というよりも、頭皮のケアが重要です。
一般的に、薄毛や抜け毛にお困りの方や、育毛を考える方は、頭皮が敏感ですので、頭皮に刺激を与えないシャンプーを選定し、
頭皮に刺激を与えないようにシャンプー&トリートメント、および乾燥を行うのが基本です。
育毛に適したシャンプーの選び方 - 薄毛・抜け毛対策にアミノ酸系シャンプー
シャンプーは大きく分けて次の3種類に分類されます。
薄毛・抜け毛対策として、育毛を考えたヘアケアをお考えの方には、100%アミノ酸系界面活性剤を使用したアミノ酸系シャンプーをお勧めします。
高級アルコール系シャンプー
「高級」とは「高分子(炭素数が多い)」という意味であり、「高価」という意味ではありませんので注意して下さい。
最も一般的なシャンプーであり、お手ごろの価格で、泡立ちがよく、洗浄力も強いという特徴があります。
しかし、頭皮や髪への刺激性が強いため、薄毛や抜け毛にお困りの方や、育毛という観点からはお勧めできません。
このシャンプーには界面活性剤として「ラウレス硫酸~」「ラウリル硫酸~」などの成分が使用されていますので、成分表示で確認してください。
石けん系シャンプー
石けん成分を界面活性剤としたシャンプーです。
洗顔や全身の洗浄に使用する石けんが主原料ですから、安価で、肌に優しく、低刺激であり、また汚れもしっかり取ってくれます。
しかし、石けん系シャンプーのほとんどはアルカリ性です。
ところが、髪の毛は弱酸性なので、髪を覆っているキューティクルが開き、毛羽立った状態になり、髪の毛を痛めやすいというデメリットがあります。
このため、薄毛・抜け毛対策としてはお勧めできません。
成分表示に「石けん素地」、「カリ石けん素地」、「脂肪酸ナトリウム」、「脂肪酸カリウム」などの表示があると、この分類のシャンプーです。
アミノ酸系シャンプー - 薄毛・抜け毛対策に最適
界面活性剤として、人体や髪の毛と同じアミノ酸系成分を使用しているシャンプーのことです。
やや高価ですが、全てのシャンプーの種類の中で最も低刺激であり、かつ優れた洗浄機能を持っており、育毛サロンなどでも使用されているシャンプーです。
このため、肌が弱い人や、薄毛・抜け毛対策として、育毛を考える人に最適なのシャンプーです。
高級アルコール系シャンプーから乗り換えると、洗い足りないような感じを受けることがあります。
しかし、これは汚れだけを落とし、頭皮に必要な皮脂はそのまま残しているからなのです。
高級アルコール系シャンプーは、頭皮のバリアである皮脂まで必要以上に洗い落としていたのです。
アミノ酸系シャンプーで注意すべき点は、少しでもアミノ酸系界面活性剤が配合されていると「アミノ酸系シャンプー」という名称を名乗っています。
薄毛・抜け毛対策として、育毛を考えたヘアケアには、100%アミノ酸系界面活性剤を使用したアミノ酸系シャンプーをお勧めします。
正しいシャンプーの仕方は薄毛・抜け毛対策の基本
シャンプーはヘアケアの基本ですが、シャンプーは髪の毛を洗うのではなく、頭皮を洗うと考えてください。
髪の毛自体よりも頭皮の方が汗や皮脂で汚れており、薄毛や抜け毛の原因となるのは髪自身ではなく、毛根だからです。
以下のような点に注意してシャンプー&トリートメントするのが良いでしょう。
- ぬるま湯で髪の毛を濡らす ・・・
38℃程度のぬるま湯で髪の毛を十分濡らします。この時、シャワーの勢いが強すぎないよう調整してください。
- 髪の毛が傷んでる人は毛先にトリートメントを施す ・・・
髪の毛が傷んでる人は、シャンプーをつける前に、傷んだ髪の毛の毛先に軽く、やさしくトリートメントを施します。
特に、ロングの人は傷みやすいので注意が必要です。
- 仮洗いシャンプー ・・・
シャンプーを適量手のひらに取り、よく泡立ててから、髪と頭皮を軽く仮洗いし、その後軽くすすぎます。
- 仕上げシャンプー ・・・
シャンプーを適量手のひらに取り、よく泡立ててから、
髪の毛というよりも頭皮を中心につけ、頭皮を指の腹でマッサージするように頭皮を洗います。
健康な美髪の作り方のページで、
『頭皮の血行を促進するマッサージ』に触れましたが、ここでこのマッサージを行うと薄毛・抜け毛対策として効果的でしょう。
- やさしくすすぐ ・・・
地肌に手を入れ、お湯を含ませながら、やさしくマッサージするように、しっかりすすぎます。
- 頭皮と髪に潤いの成分を与えるトリートメントを施す ・・・
頭皮と髪の毛に潤いの成分を与えるのがトリートメントの役割です。
トリートメントは、キューティクルを通過し、傷んだコルテックス(毛皮質)の中まで入って行って、失われたタンパク質を補ってくれます。
その後、トリートメントは、しっかりすすいで下さい。
- タオルで水気をよく拭き取る ・・・
頭皮は80%程度乾燥させた上で育毛剤を塗布すると、毛穴から毛根部分への吸収浸透率を高めることができ、
薄毛・抜け毛対策として、効果の高い育毛を行うことができます。
正しいドライヤーのかけ方もヘアケアには重要
濡れた状態の髪の毛はとても傷つきやすい状態ですので、できるだけ早くドライヤーで乾かすのが良いでしょう。
しかし、無頓着にドライヤーをかけてしまうと、逆に髪の毛を傷める原因にもなりますので、ヘアケアには正しいドライヤーのかけ方も重要になります。
ここでは、ドライヤーをかけるときの注意点をまとめておきましょう。
- タオルで地肌と髪の毛の水分を取り除く ・・・
ドライヤーをかけることは大切ですが、それ自体が髪の毛へ負担をかけることにもなります。
ドライヤーをかける時間を短くするためにも、事前に、タオルで地肌の水分を十分取り除きましょう。
また、優しく押さえて髪の毛の水分も取り除いておきましょう。
- ロングヘアーの方はまずうなじを乾かす ・・・
まずドライヤーで乾かすのは地肌です。
特にロングヘアーの方は、うなじが乾きにくいので、軽くうつむいた状態で髪の毛を左右に分け、うなじから乾かしましょう。
うなじから乾かすことにより、ドライヤーをかける時間が大幅に短縮されます。
- オーバーブロー(乾かしすぎ)に注意 ・・・
髪の毛が濡れている状態であれば熱風を当てても平気ですが、完全に乾いた髪の毛に熱風を当てると髪の毛を傷つけてしまいます。
また、髪の毛の先端は渇きやすいので、熱風はできるだけ当てないで、髪の毛の根元から中間にかけて70%~80%程度の乾燥を目安に乾燥させましょう。
70%~80%程度乾燥させた後は、自然乾燥か、あるいは冷風による穏やかな乾燥に切り替え、髪の毛を保湿しておきましょう。
- 常に熱風の向きを変える ・・・
一箇所に集中してドライヤーをかけると、局所的に乾燥して、部分的にダメージを与える可能性があります。
髪の毛から20~30センチ離して、常にドライヤーの熱風の向きを変えながら使用しましょう。
最終更新日:2017年8月10日