プラセンタ効果で美白肌

厚生労働省の認可を受けた美白成分プラセンタエキスの効果とは

美白成分とは、肌の美白成分に示した通り、メラニン色素が生成されるプロセスを阻害したり、肌の新陳代謝を高めてメラニン色素の排出を促進したりする成分のことです。そして、厚生労働省の認可を受けた美白成分は、プラセンタエキス、アルブチン、ビタミンC誘導体、ルシノールなど、9種類しかありません。

ここで、プラセンタ（Placenta）とは、英語で胎盤のことです。そしてプラセンタエキスあるいはプラセンタエッセンスとはプラセンタから抽出した抽出物のことです。美容に使用されるプラセンタエキスは、豚あるいは馬のプラセンタから抽出したものが殆どですが、医薬品で使用されているものは、人間の胎盤が原材料として使用されています。

胎盤（プラセンタ）の役割

哺乳類は、母体の中でたった1個の卵子と精子から、もの凄いスピードで細胞分裂を繰り返し、数10兆個とも言われる胎児の細胞に成長します。この細胞分裂は胎盤の役割によるものです。即ち、子宮壁に着床した受精卵は、初期に機能が異なる2つの部分に分かれます。1つが胎児の体であり、もう1つが胎盤で子宮壁側に位置します。そして、胎児の体と胎盤の間は、へその緒と呼ばれるチューブで結ばれています。

胎盤（プラセンタ）には多くの重要な役割がある

胎盤には多くの重要な役割をがあります。第1の役割が、母体から栄養や酸素などを取り出して胎児に供給することです。第2の役割が、胎児の細胞分裂を高速に行うため『成長因子（Growth factor）』を生成して胎児に供給することです。さらに、第3の機能として、活性酸素から胎児を守ることです。母体の栄養が偏っていたり、ストレスが蓄積していると細胞内に活性酸素が増加しますが、胎盤の強い抗酸化力により、胎児を守ってくれるのです。第4の機能として、有害物質から胎児をを守る解毒機能と排泄機能です。また、胎盤は胎児の重要な臓器として機能するばかりか、ホルモンの分泌機能や自律神経調整機能も担っています。

様々な種類の成長因子があらゆる場所で細胞分裂を促す

上記の第2の役割で取り上げた成長因子には、上皮細胞成長因子（Epidermal growth factor：EGF）、線維芽細胞成長因子（Fibroblast growth factor：FGF）、肝細胞成長因子（Hepatocyte Growth Factor：HGF）、神経成長因子(Nerve growth factor：NGF) 血管内皮細胞成長因子（Vesicular endothelial growth factor：VEGF）など、細胞の成長作用をもたらす場所により、異なる多数の成長因子が見つかっています。

そして、それぞれの成長因子に対応する受容体（レセプター）に結合することにより、はじめて、成長因子シグナルを標的細胞に伝達することができます。例えば、外から美肌を作る美肌成分で解説したEGF（上皮細胞成長因子）は、上皮の基底層にある EGFレセプターに到達すると、成長因子シグナルが伝わり、上皮の細胞分裂を活発に作るようになります。このように、プラセンタエキスの様々な成長因子を、対応する受容体がある人体の細胞に届けてやれば、細胞分裂を活発にすることができるのです。

プラセンタエキスの機能と効果

上記の通り、胎盤は様々な種類の成長因子を生成し、胎児に与えることにより、胎児の成長をコントロールしています。特に美肌で注目されるのが、上皮細胞成長因子（EGF）と線維芽細胞成長因子（FGF）です。 FGFは上皮の肌のターンオーバーを活発にし、 FGFは、真皮の中で、コラーゲン、エラスチン、そして基質を作り出している線維芽細胞と言われる細胞を生成します。以下、プラセンタエキスの機能と効果をまとめておきます。

プラセンタエキスの機能

プラセンタエキスの機能は、まだ完全に解明されている訳ではありませんが、上記に述べたような胎盤と類似の機能があります。

成長因子 ・・・上皮細胞成長因子（EGF）や線維芽細胞成長因子（FGF）などの成長因子を含むため、体の様々な箇所で細胞分裂を活性化することができます。
強い抗酸化力 ・・・活性酸素から胎児を守るたの強い抗酸化力があるため、アンチエイジングや肝機能障害の治療など医薬品や化粧品として様々な応用が可能です。
ホルモンバランスを整える内分泌調整機能 ・・・胎盤は、胎児のホルモンの分泌機能も担っていますので、ホルモンバランスを整える内分泌調整機能があります。この機能を活用した更年期障害の治療も行われています。
自律神経のバランスを整える自律神経調整機能 ・・・プラセンタエキスの自律神経調整機能によってセロトニンの分泌を改善し、また内分泌調整機能によってノルアドレナリンなどのバランスを整えることにより、うつ症など心の病の症状が緩和されたという報告もあります。
その他の機能 ・・・胎盤は、胎児が成長するプロセス全てをコントロールしている訳ですから、上記の他にも、細胞の新陳代謝を促す機能、基礎代謝を向上する機能、血行促進する機能、血液を造る機能など、様々な機能が確認されています。

プラセンタエキス効果

上記の通りプラセンタエキスには様々な機能がありますので、非常に多くの効果が期待されます。現在、確認されている効果としては、以下のようなものがあります。

プラセンタエキス効果その 1 - 肝機能障害の治療効果

プラセンタエキスの注射薬「ラエンネック」は、強い抗酸化力と肝細胞成長因子（Hepatocyte Growth Factor：HGF）により、肝臓組織の酸化を抑制し、肝臓が持つ本来の解毒機能を回復させますので、肝機能障害の治療および予防薬として、厚生労働省に認可されています。プラセンタエキスにより肝臓の機能が回復しますので、肝硬変や肝臓がんへと発展するプロセスを阻止することができます。

プラセンタエキス効果その 2 - 更年期障害・うつ病の治療効果

更年期障害に記述した通り、プラセンタエキスの注射薬『メルスモン』は、プラセンタエキスのホルモンバランスを整える『内分泌調整機能』や、自律神経のバランスを整える『自律神経調整機能』により、更年期障害の自律神経系の乱れを効果的に改善します。また、プラセンタエキスの自律神経調整機能によってセロトニンの分泌を改善し、うつ症など心の病の症状が緩和されたという報告もあります。

プラセンタエキス効果その 3 - 疲労回復効果

筋肉疲労の原因は、体内でブドウ糖がエネルギーに変換される時に、エネルギーと共に作られる乳酸の蓄積が原因です。プラセンタエキスの主成分である『活性ペプチド』は、細胞の新陳代謝を促す機能があり、乳酸の排出を促進します。また、自律神経調整機能により、精神的な疲労からも回復する効果があります。

プラセンタエキス効果その 4 - アンチエイジング（老化防止）効果

プラセンタエキスは、強力な抗酸化力と様々な成長因子により、高いアンチエイジング効果が期待できます。皮膚はもちろんですが、そればかりではなく、肝臓や血管など、全ての器官のアンチエイジング効果が期待されています。

プラセンタエキス効果その 5 - 美肌・美白効果

プラセンタエキスの強力な抗酸化力と上皮細胞成長因子（EGF）や線維芽細胞成長因子（FGF）により、紫外線やストレスによる活性酸素を消し去りそのダメージから肌を守ります。また、新陳代謝を促進させる効果により、肌のターンオーバーが活発になり、肌のくすみやシワ、そしてシワやたるみを改善し、紫外線をしっかり反射でき、十分保湿できる角質層と顆粒層を持った美肌を作り上げることができます。肌の美白成分に示した通り、プラセンタエキスは厚生労働省が認める9種類の美白成分の一つですので、『医薬部外品』として美肌・美白効果を発揮します。

プラセンタエキス効果その 6 - ダイエット効果

プラセンタエキスは新陳代謝を促進させ、基礎代謝を向上しますので、体内の脂肪が燃焼しやすくなりますので、ダイエット効果があります。最近、デトックスダイエットと呼ばれる方法が話題になっています。デトックスダイエットとは、毒素を分解する肝臓の機能を高めることで、痩せやすい体質に変えるというダイエット法です。『肝機能障害の治療効果』でも述べましたが、プラセンタエキスには、肝細胞成長因子（Hepatocyte Growth Factor：HGF）があり、 HGFが肝機能を回復する効果がありますので、プラセンタエキスはデトックスダイエットによるダイエット効果を促進してくれます。

プラセンタエキス効果その 7 - 生理不順の改善効果

プラセンタエキスのホルモンバランスを整える『内分泌調整機能』により、生理痛を和らげ、生理不順を改善する効果があります。

どのプラセンタエキスを選べばいいの？

プラセンタエキスは、上記の通り非常に多くの効果がありますので、多くの商品が市場に出回っています。また、冒頭に述べた通り、医薬品には人間の胎盤が、美容関係の商品としては、豚あるいは馬の胎盤から抽出したプラセンタエキスが使用されています。ここでは、医薬品のプラセンタエキスではなく、美容関係の商品としてのプラセンタエキスに限定して話を進めましょう。

プラセンタエキスの安全性について

安全なプラセンタエキスは、まず、原材料となる胎盤として、細菌やウイルスに感染していない豚や馬のプラセンタが使用されなければなりません。そのためには、原材料の入手プロセスから管理されていなければなりません。そして、管理された製造工場で製造され、製造工程の最終段階で、きちんと滅菌処理を行うことで、あらゆる感染の可能性はなくなり、安全性が十分に確保されます。

プラセンタエキスの副作用について

プラセンタエキスのサプリメントや化粧品使用する際の注意点を記しておきましょう。プラセンタエキスの副作用は、ほとんど無いと言われていますが、ごくまれにアレルギー体質の方や体力が弱っている方に対して、異種蛋白質による一過性の拒絶反応として、かゆみを感じたり、発疹が出たりする場合があります。このような場合は、使用量を半分程度に減らしてみるのが良いでしょう。症状がひどい場合は、使用を中止し、医師に相談するのが良いでしょう。プラセンタエキスは、アレルギーやアトピーの体質改善としても利用されていますので、拒絶反応が出るのはごく稀な例です。

また、プラセンタサプリメントのその他の副作用としては、生理が早まる、生理時の出血量が多くなる、軟便などが挙げられます。ただし、殆どのケースにおいて、一過性の症状であり、継続服用により正常に戻ります。

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最終更新日：2017年8月3日