脳の機能と心と体の健康Congnitive Behaviour Therapy

乗物恐怖症の行動実験例1

不安障害に対抗する行為の一部をやめるという選択肢も不安を押さえる効果がある
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乗物恐怖症の行動実験例1

   心の病は風邪のように、薬を飲めば簡単に治るという病気ではありません。 特に、強迫性障害の方は、強迫行為を簡単にやめることは難しいようです。 しかし、自分の病気を心の病として正しく認識し、行動実験を反復することにより、症状は徐々に緩和されます。 不安を抱えた方は、昼でも夜中でも、GoogleやSNS(Social Networking Service)などインターネットを駆使して自分の病気について調べようとしますが、 返ってこのような行為により睡眠不足に陥ったり、自分が期待する回答が見つからず不安を煽ったりしますので、ますます不安に陥ります。
   症状をチェックしたり、安心できるような情報を探したり、あなたの思考を制御したり、あるいは不安を押さえ込むよう抵抗したりという不安障害に対抗する行為自体により、 不安を増幅したり、気分が悪くなったり、吐き気を催したりというマイナスの効果を引き起こすことがあります。 症状を改善するためには、このような不安障害に対抗する行為の一部をやめるという選択肢も不安を抑制する効果があることを認識してください。 ここでは、乗物恐怖症という不安障害を抱える方の、行動実験記録例をご紹介しましょう。
表1 乗物恐怖症の方の行動実験記録例
記述項目 あなたの記述欄
1.問題を記述する 電車やバスに乗ると、心臓の鼓動が激しくなり、このまま動けなくなってしまうのではないかと不安になり、めまいがしたり、吐き気がして、座り込んでしまう。 このため、電車やバスに、一人で乗ることができない。 心臓病あるいは他の悪い病気と思い、病院で検査してもらったが、異常は見つからず、心療内科を受診するよう言われた。 最近では、一人で外出するのも怖くなってきた。
2.仮説を立てる 心療内科で乗物恐怖症と診断され治療しているが、症状は良くならない。 もしかしたら、あまり知られていない特殊な病気なので、病院で異常が見つからなかった可能性もある。 自分の病気について真実を知りたい。
確信度 80%。
3.代替仮説を立てる 心療内科で乗物恐怖症と診断されたのだから、肉体的な病気ではなく、心の病に違いない。 執拗に自己監視したり、自分の体の病気について調べたりしなければ、不安は緩和されるのではないか。
確信度 40%。
4.仮説の検証方法 心拍数については日々監視し、何とか不安をなくしたいと試行錯誤するのは継続した方が良いだろう。 しかし、日々、インターネットで体の病気について調べたり、質問コーナーで『どのように対処すれば良いでしょうか?』と質問するという行為は、逆に不安を招くのでやめてみよう。 とにかく、心臓も含め肉体的には何処も悪くないのだから。
5.実験結果 約1週間継続し、近所の外出であれば、不安を抱かなくなったし、心拍数も安定している。
6.実験結果の分析 まだ、完全に肉体的な病気ではないという確信は持てない。 しかし、執拗に自分の体の病気について調べる回数を減らすことにより、確かに不安は低減できるので、これは続けた方が良い。
仮説の確信度 40%、代替仮説の確信度 70%。
最終更新日:2011年4月4日

  

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