認知行動療法(CBT)とは
認知行動療法(Congnitive Behaviour Therapy: CBT)は、『もしあなたが健康的な考え方をすれば幸せで生産的な生活を送れる』という、実に簡単な原理に基づいています。
また、心理学的な障害を理解し克服するために、科学的・哲学的・行動学的局面を融合したわかりやすい手法ですので、様々な精神障害の強力な治療方法となります。
ここで、認知・行動・療法の各意味は以下の通りです。
- 認知(Congnitive)・・・『考える』というような心のプロセスを意味し、記憶・夢・イメージ・注意力などに関連します。
- 行動(Behaviour)・・・あなたの言動、問題解決、逃避行動など目に見える行動だけではなく、思っていることを言わないという目に見えない行動も含みます。
- 療法(Therapy)・・・障害や病気を直すためのシステマティックなアプローチ。
認知行動療法(CBT)は科学的にテストされた心の病の治療法
認知行動療法(CBT)は、うつ病や不安障害の患者に対し、科学的にテストされ、効果が高いと検証された方法であり、それ以外の心の病の患者にも効果があります。
また、抗うつ薬のみによる治療に比較して、認知行動療法(CBT)単独あるいは併用した治療では、再発率が低いのも特徴の一つです。
再発率が低い理由は、認知行動療法(CBT)を学習する過程で、患者自らが自分自身のセラピストとして成長し、
自分の思考過程を
正のスパイラルへ転換できるためでしょう。
認知行動療法(CBT)は、まだ症状が明確に現れてない場合の予防や、症状が軽い精神疾患の初期の治療方法の一環として実施すると、ご本人の思考を改善しやすく効果的のようです。
ただ、
うつ病の治療が難しい理由で述べたように、
日本の殆どの心療内科やメンタルクリニックにおける不安障害やうつ病をはじめとする心の病の治療方法は、日本独特の『多剤療法』という悪習慣に基づいています。
このため、精神疾患を急激に悪化させるケースが多々見られます。
精神疾患が悪化してしまうと、認知行動療法(CBT)を実施する気力さえ湧いてこないのが実情ではないでしょうか。
このような場合は、まずはご家族の方が、本サイトで認知行動療法(CBT)の実施方法を勉強して頂き、本人のセラピストとしての役割を果たすのが理想的と言えるでしょう。
英国では認知行動療法(CBT)が心の病の治療の基本
特に、うつ病に対する認知行動療法(CBT)の研究はかなり進んでおり、その実績も豊富です。
認知行動療法(CBT)先進国の英国では、中程度より軽いうつ病の方でしたら、抗うつ薬を使用することなくCBTのみで治療し、
躁うつ病(双極性障害)患者あるいは重度のうつ病患者のみ抗うつ薬とCBTを併用するというのが治療の基本のようです。
重大な副作用を伴う危険性のある抗うつ薬の使用をできる限り抑制するということは賢明な方法と言えるでしょう。
日本もこれを見習った方が良いでしょう。
認知行動療法(CBT)の特徴
CBTの特徴は以下の通りです
(
心理学・認知行動療法(CBT)関連[1])。
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科学的評価に基づいて開発された治療方法であり、不安障害やうつ病患者の症状改善に実績があります。
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あるイベント(出来事)に対し、感情や行動を決定する際に、付加される個人的な信条や意味付けの役割を重視した治療方法です。
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精神疾患の原因を探すよりも、これらの症状がどのように維持されているかというプロセスに注目した治療方法です。
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様々な精神疾患を克服するための実用的な助けが得られる治療方法です。
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科学者のように新しいアイデアを試したり考えたりすることにより、あなたが変化し、症状が改善されるという視点を持つようになることが出来る治療方法です。
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自分が自分自身の精神疾患を悪化させていることを認識できる治療方法です(例:うつ病を恥ずかしく思っているという感情など→恥ずかしがる理由は全く無い)。
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最終的に、あなたが自分自身のセラピストになれるようなテクニックが得られるので、精神疾患の再発率が低い治療方法です。
いかがでしょうか?
あなた自身がうつ病や不安障害のような精神疾患を抱えていたり、あなたの周りにこのような精神疾患を抱えている友人や家族がいた場合、
CBT を試してみたいと思われたでしょうか?
本サイトでは、認知行動療法(CBT)を詳しく解説し、実用的に応用できるようにして行く予定です。
最終更新日:2011年5月26日