破局思考(Catastrophising)とは
破局思考(カタストロファイジング:Catastrophising)とは、何でもない出来事を、否定的な出来事や大失敗と考える思考方法です。
英語のイディオムに"make mountains out of molehills"というのがあります。
直訳すると『モグラ塚を山にする』ということですが、『些細なことを大げさにする』という意味です。
日ごろのちょっとした何気ない出来事から、とんでもない最悪の事態を想像してしまうという方は意外に多いようにに思います。
例えば、あなたが就職のため面接を受けましたが、残念ながら採用されなかった場合に、あなたならどう考えるでしょうか?
破局思考の方であれば、
『能力が無いから採用されなかった』→『いくら採用試験を受けても無理かも』→『もう採用試験は受けたくない』→『外出したくない』
と、引きこもってしまうケースもあります。
さすがに景気が悪い昨今、2,3回ぐらいの失敗では破局思考をする方は少ないでしょうが、5回、6回となると危ない方も出て来るでしょう。
また例えば、あなたのご主人が会社を辞めて独立するという場合はに、あなたならどう考えるでしょうか?
破局思考の方であれば、
『まだ家のローンも残っているのにやって行けるの?』→『私もこの年齢だと働くところはないし』→『いまさら離婚もできないし』
→『こんなはずじゃなかった』
と、結論の出ない負のスパイラルに陥ってしまい、
パニック障害
になってしまうケースが多いようです。
破局思考(Catastrophising)の阻止方法
自分が最悪のシナリオを考えるループに入りだしたら、次の方法で脱出するよう心がけて下さい。
- 多角的に考える・・・
面接のケースあれば、『面接に落ちたのは私だけではない』、『あそこの対応がまずかったので次は気をつけよう』、
『この時節面接に落ちるのはたいした事じゃない』、『自分に合う会社・職種は他にある』、
『こんなスキルを身に付けた方が良いな』、『友人の麻衣に相談してみよう』、などと、遠近法で、かつ表から裏から、
失敗をエネルギーに代えられるよう、色々な角度で考えてみましょう。
- 良い方向で考える・・・
ご主人の独立のケースであれば、『主人のことだからすぐ就職できる』、『退職金で会社を始めるのも定年がなくて良いかも』、
『私も能力を使って働こう』、『働くと新しい友達も増えるし楽しいだろうな』、『友人の麻衣なら良いアイデアを持ってるかも』
など、とにかく前向きに、良い方向に考えてみましょう。
- 事実を基に考える・・・
面接のケースにおいて、破局思考の方が考えた『能力が無いから採用されなかった』、『いくら採用試験を受けても無理かも』は、どちらも事実ではありません。
事実でない情報を基にいくら考えても、正しい結果は得られませんし、時間を無駄にするだけです。
これらの方法は、どれも優秀な科学者が思考を構築する方法ですね。
そういえば、破局思考をする優秀な科学者というのは聞いたことがありませんね。
最終更新日:2011年3月15日