うつ病の再発率が高い理由 - 負のスパイラル
うつ病の再発率は、一般の病気に比較してかなり高く、再発を繰り返すほど次回の再発率が高くなるという厄介な特徴があります。
初回の発病の場合の次回再発率は50%程度ですが、2回目の場合の次回再発率は75%、3回目の場合の次回再発率は90%にも達すると言われています。
では、どうしてうつ病治療の再発率がこれほど高いのでしょうか?
答は簡単です。うつ病の治療を他の病気の治療と同じように『元の状態に戻すこと』と考えているからです。
図1に示すように、負のスパイラルに陥った患者に薬物治療を施し、副作用も少なく見事成功したとしましょう。
医者から見れば基に戻ったのですから確かに『完治」です。
しかし、この図からわかるように、振り出しに戻っただけで、再度過剰なストレスが溜まれば、同じ負のスパイラルに陥ることは明らかです。
坂道を転げ落ちるボールを無理に持ち上げても再び転げ落ちる訳ですから、真の意味で治療したことにはなりません。
治療中に、仕事のストレスを減らして、休養を取るようにアドバイスされるはずです。
治療完了後も、このアドバイスを忠実に守り、ライフスタイルを変えた50%の方は再発しませんが、元通りのライフスタイルに戻った50%の方は、
再度過剰なストレスを溜め込んで再発するのです。
うつ病を完全に撃退するには、負のスパイラルから抜け出すことが重要なのです。
そして、負のスパイラルから抜け出すためには、あなたの思考方法を転換するための行動が重要なのです。
図1 うつ病の薬物治療は本当の治療ではない
真のうつ病治療 - 負のスパイラルから正のスパイラルへ思考を転換するための行動を習慣化
うつ病の再発を減らす方法はないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
図2に示すように、正のスパイラルへ思考を転換するトレーニングをするのです。
このトレーニングは、
認知行動療法(CBT)
と呼ばれ、イギリスではうつ治療の常識になっていますが、日本ではまだマイナーな存在です。
認知行動療法(CBT)は、『自分の考え方の問題点を再認識し、考え方を変えるための行動も理解し、これを習慣化する』ということです。
イギリスでは、コンピュータでも行える CCBT も導入されていますが、本サイトでも今後 CCBT が行えるよう取り組んで行く予定です。
図2 うつ病の真の治療は正のスパイラルへの思考の転換