うつ病とは
現在、日本のうつ病診断基準は、米国精神医学会(APA:American Psychiatric Association)が2000年に作成した診断基準である
DSM-IV(Diagnostic and Statistical manual of Mental disorders 4th edition: 精神障害の診断および統計マニュアル第4版)に基づいています。
したがって、以下の9項目のうち、5項目以上が2週間以上続けばうつ病と診断されます。
- ほぼ一日中、抑うつ気分が続く。
- ほぼ一日中、何事にも興味や喜びが湧かない。
- 特に食事療法をしている訳ではないのに、食欲が湧かず、著しく体重が減少した(1ヶ月換算で約 5%以上の減少)。
- 熟睡できない。
- 焦燥感がありイライラすることが多い。
- 疲れやすい、あるいは気力が湧かない。
- ほぼ一日中、自分に対して無価値感あるいは罪悪感を持っている。
- 思考力・集中力・決断力が低下している。
- 繰り返し死にたいと思う(自殺念慮)、あるいは自殺をしたことがある(自殺企図)
人が病院に行こうと思う時は、かなり落ち込んだ時でしょうから、病院を訪問した方の殆どはうつ病だと診断されるのではないでしょうか。
そして、うつ病と診断されれば、日本の殆どのメンタルクリニックあるいは心療内科では、複数の薬を使った薬物療法が開始されます。
私は、この事実が、うつ病ではない、あるいはうつ病のごく初期の患者のうつ症状を悪化させている原因だと考えています。
日本では、いとも簡単に SSRI や SNRI 等の抗うつ薬(
うつ病の事例紹介)を処方してしまいます。
銀行強盗、飛行機のハイジャック、銃乱射による大量殺人に SSRI の代表格『パキシル』が関与している可能性があるのをご存知の方は少ないと思います。
確率的には高くはありませんが、『パキシル』には攻撃性の増大という重大な副作用があり、この副作用により犯罪に手を染めた方もいらっしゃいます。
また、攻撃性が自分に向かえば、自殺企図ということになりますので、これらの薬物は、重度のうつ病患者以外に処方すべきではないと考えています。
本当に患者を治療しようと思うのであれば、時間をかけて、うつ症状に陥った原因を、性格・心理状態・環境など、様々な面を考慮して診断し治療すべきですが、
心療内科医の能力が不足していることと、利益を優先するためこのような治療が横行しているのではないでしょうか。
心療内科医にとって、うつ病は『おいしい患者』になってしまっている訳です。
うつ病の症状
あなたが過去2週間以上連続して以下のような状態でしたら、うつ病の可能性があります。
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落ち込んでいる。
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やる気が出ない。
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悲観的になる。
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将来の希望が持てない。
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何をするにも興味が湧かないし楽しめない。
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性欲が無い。
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社会的に孤立感があり引きこもり傾向である。
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罪悪感を感じる。
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同じことを何度もくよくよ考える。
さらに、その期間中、以下のような症状を伴うようでしたら、うつ病の可能性が高いと言えます。
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食欲が無いあるいは過食する。
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集中力が無い。
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早朝に目が覚める。
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憂うつな気分である。
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朝になると不安になったり怖くなったりする。
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自殺願望がある、あるいは生きようが死のうがどうでも良くなる。
もし、これらの項目の中で、2週間以上連続して3項目以上該当し、それがあなたの学習や仕事に影響を及ぼすような程度でしたら、
うつ病ではないかと疑い、もしあなたが英国や米国にお住まいなら信頼できる心療内科またはメンタルクリニックを尋ねた方が良いでしょう。
ただ、日本の心療内科またはメンタルクリニックでは、多剤療法が横行しており、投薬によりうつ病を悪化させてしまうケースも多々見られます。
英国では、うつ病に対する認知行動療法(CBT)の研究はかなり進んでおり、中程度より軽いうつ病患者に対する効果も実証されています。
本サイトでは、CBTの先進国である英国の研究者の情報を基に
認知行動療法(CBT)入門ページを構築していますので、
あなたが抱える精神疾患の予防や自己治療にお役立て下さい。
うつ病でない方でも、一時的に上記のような感情が湧いてくることはあるでしょう。
しかし、正常な脳状態の方であれば、前頭葉を駆使して『これではいけない!』と、負のスパイラルに入り込みかけた思考を断ち切って、抜け出すことができます。
また、軽いうつ病の方であれば、家族や友達の助言や手助けにより、負のスパイラルから抜け出すことも可能です。
うつ病に共通しているのは、下図に示すような『抜け出せない負のスパイラルに入り込んだ思考の連鎖』と言えるでしょう。
負のスパイラルに入り込んだ思考の連鎖