オールorナッシング思考とは
オールorナッシング思考(All-or-Nothing Thinking)とは、『白か黒か』、『好きか嫌いか』、あるいは『生か死か』というような極端な感情や行動を引き起こす極端な思考のことです。
オールorナッシング思考の方は、常に完璧な結果を期待しますが、人生の殆どの場合において完璧な成果を出せることはまずありません。
このため、一旦躓くと、そこで努力を放棄し、その先に進めなくなってしまう状況に陥ります。
例えば、あなたが第一志望のT大学を受験する場合を考えてみましょう。
T大学へどうしても入りたいという気持ちが強いですので、まずセンター試験に向けて猛勉強するでしょう。
しかし、センター試験でいい成績が残せなかった場合、あなたならどう考えるでしょうか?
オールorナッシング思考の方であれば、
『センター試験に失敗した』→『もう努力しても無意味だ』→『T大学には入れない』→『人生に失敗した』
という具合に、ナッシング思考に走ってしまいす。このため、仮にT大学の試験を受けたとしても、
『どうせダメだ』という気持ちが先行してしまいますから、T大学には合格できないでしょう。
また例えば、あなたが婚活のためダイエットしている場合を考えてみましょう。
5kgのダイエットをするためにヘルシーな食事を取るように気をつけ、定期的にエアロビクスにも出かけます。
しばらく続けた結果、2kgのダイエットに成功したためアドレナリンが分泌され、ますますやる気が出てきます。
しかし、ある時、あなたのダイエットを知らない友人が、A点の美味しいケーキをお土産に尋ねて来ました。
あなたは、美味しいケーキの誘惑に負けてケーキを1個を食べてしまった場合、あなたならどう考えるでしょうか?
オールorナッシング思考の方であれば、
『禁断のケーキを食べてしまった』→『ダイエットの計画は失敗した』→『どうせ私にはダイエットはできない』→『婚活も中止』
という思考に陥ってしまいます。
そして、食事制限や運動もやめてしまい、ダイエットする前よりも逆に太ってしまうという結果になってしまいます。
オールorナッシング思考の阻止方法
オールorナッシング思考の方は、『1か0か』という極端なデジタル思考に陥りがちになりますので、
この考えを阻止するため、1もあれば0.8もあるというようにアナログ思考を取ることができるよう心がける必要があります。
- 現実的に考える・・・
大学試験のケースでは、センター試験で失敗したとしても、T大学の試験で頑張れば入学できる可能性は残されています。
まず、T大学がセンター試験の結果をどのように評価しているかを調べ、T大学の試験でどの程度の結果が出せれば入学できそうかを冷静に調べ、新たに目標を立て直すのが現実的でしょう。
また、ダイエットのケースでは、ケーキを1個を食べても高々300~500キロカロリーです。
体重・年齢・活動内容にもよりますが、、事務職の場合の一日の消費カロリーは、女性で1,700キロカロリー前後、男性で2,000キロカロリー前後です。
仮に400キロカロリーのケーキを食べてしまったからと言って、あなたのダイエット計画に大きな影響はありませんので、
『ダイエットの計画は失敗』と考えるのは、現実的ではありません。
- 代替案を考える能力を磨く・・・
大学試験のケースでは、大学はT大学だけではありませんし、人生は大学だけで決まるものではありません。
まだ募集している大学を探したり、後期や来年に向けて新たな努力を始めるなど、広い視野を持ち、多くの代替案の中から現実的に選択するよう心がけましょう。
また、ダイエットのケースでは、仮に400キロカロリーのケーキを食べてしまったら、その分を1週間かけて摂取カロリーを減らすか、
あるいは、消費カロリーを増やすなどの代替案を考えるよう心がけましょう。