過度な一般化思考とは
過度な一般化(Overgeneralising)思考とは、一度あるいは数度の出来事から、
『いつもこうだ』、『皆そう思っている』、あるいは『決して成功しない』など、
非常に一般的な結論を導き出す思考を意味します。
ここでは典型的ないくつかの例をご紹介しましょう。
- 落ち込むタイプ・・・
あなたが携帯で上司に緊急連絡を取ろうと思いましたが、携帯の電池が切れて連絡が取れなかった場合、あなたならどう考えるでしょうか?
落ち込むタイプの過度な一般化思考の方であれば、例え携帯の電池が切れるのが初回であっても、他の失敗例と重ね合わせて、
『またか!いつもうまく行かない』と思い落ち込むでしょう。
- 怒り出すタイプ・・・
あなたの上司から急ぐように言われているプロジェクトにおいて、あなたの部下の小さなミスによりスケジュールが遅れた場合、あなたならどう考えるでしょうか?
怒り出すタイプの過度な一般化思考の方であれば、『俺の部下はみんな愚かなんだ』と考えて怒り出すでしょう。
- 罪の意識に陥りやすいタイプ・・・
赤ちゃんの夜泣きをとめようとあやしていますが、なかなか泣き止まない場合、あなたならどう考えるでしょうか?
罪の意識に陥りやすいタイプの過度な一般化思考の方であれば、ノイローゼ気味に『いつも泣き止まない。いい加減に泣き止みなさい!』と怒鳴ります。
相手は何も知らない赤ちゃんです。怒鳴った自分に対し、嫌悪感を持つと共に、罪の意識に陥ります。
過度な一般化思考の阻止方法
過度な一般化思考は、あなたの誤った現状認識から導かれる思考です。
過度な一般化思考は以下のように考えることにより抑制するよう努力しましょう。
- 多角的に遠近法で考える・・・
落ち込むタイプの例では、『いつもうまく行かない』というのは本当でしょうか?
うまくいった例もあるはずです。過去の成功事例を思い起こすよう努力しましょう。
怒り出すタイプの例では、部下の長所を見るように努力しましょう。どの部下もあなたにはない特有の長所があるはずです。
- 一旦評価を延期する・・・
怒り出すタイプの方は、ちょっとした不都合をうまく処理する能力を自分自身で悪化させています。
『みんな・・・』という感情が浮かんだら、一旦評価を中止してみましょう。
- 総合的に判断する・・・
罪の意識に陥りやすいタイプの例では、過去の子育てを総合的に考えてみてください?
あなたは自分の赤ちゃんを愛しているし、大切に育てているはずですので、悪い親であるはずがありません。
この日は、たまたま夜泣きがひどく、自分を見失い、怒ってしまっただけなのです。
余談になりますが、基本的に、夜泣きの原因は赤ちゃんにはありません。
赤ちゃんの夜泣きは体内時計の乱れによるものですので、
正しく対処してあげれば良いだけなのです。