ラベル付け思考とは
ラベル付け(Labelling)思考とは、全ての人・物あるいは出来事にラベルをつける思考を意味します。
例えば、失業者を見ると、『人生の落伍者』とか、『社会不適格者』などという極端に誤ったラベルをつける思考方法です。
もちろん、他人だけではなく、自分が失業した場合でも、自分に対して同様にラベルをつけ、落ち込みます。
このような思考が強い方は、人だけではなく、世界や出来事など、何でもグローバルに一般化して格付けするという強い信念があります。
例えば、新聞で凶悪犯罪の低年齢化の記事を読んだ時、あなたならどう考えるでしょうか?
ラベル付け思考の方は、『最近の若者は危険だ』とか『最近の日本は危険だ』という具合に短絡的にラベルをつけてしまいます。
そして、外出を控えるようになり、若者との接触を断ってしまいます。
また例えば、あなたが、英語の試験で落第点を取ってしまった場合、あなたならどう考えるでしょうか?
ラベル付け思考の方は、『自分は落伍者だ』と短絡的にラベルを付けて落ち込んでしまいます。
ラベル付け思考の阻止方法
このようなラベル付け思考を抑制するには、人や世界などの対象物は複雑で変化しているものだと認識し、
あなたのラベル付けに該当しない事実がたくさんあることを認識してください。
具体的には、以下のような方法により、あなたのラベル付け思考を改善するのが良いでしょう。
- 多様性と変化を認識する・・・
凶悪犯罪の低年齢化のケースでは、凶悪犯罪を起こした若者はごく一部の例外であり、殆どの若者はすばらしい人格を持ったやさしい若者です。
また、犯罪を犯した人でもその後改心する可能性も残されています。
さらに、確かに日本の犯罪は増えていますが、まだまだ世界に比較すると日本は十分に安全な国です。
このような現実をできるだけ具体的な事例から認識するよう努力してください。
- 複雑性を尊重する・・・
また、試験の失敗のケースでは、あなたに限らず、人とは多才で個性があり、また常に変化している複雑な生き物です。
したがって、1つの試験結果のみで『落伍者だ』とラベル付けするのは極端に一般化し過ぎです。
人・世間あるいは世界というものは複雑であり、短所もあれば長所もあることを認識するよう努力してください。
ラベル付け思考は、自分自身の成長を阻害してしまいます。
上記のような努力を継続することにより、あなたのグローバルに格付けするという信念は徐々に緩和し、あなた自身の成長につながることでしょう。