ABCフォーム#2の記入方法

   ABCフォーム#1の記入がしっかりできるようになれば、 ABCフォーム#2 (このフォームを表示するには Adobe Reader が必要です)に移行します。 このフォームでは、不健康な負の思考を健全な思考に代替することにより、不健康な負の感情を低減し、違う行動を起こすように導くためのフォームです。
   このフォームの項目1~4の記入枠は、ABCフォーム#1とほぼ同じですが、ABCフォーム#2では不健康な負の感情の改善度も記入しますので、 項目1には感情と共に、その程度の強さも0~100%の範囲で記入しておきましょう。 また、項目4の記入枠には、あなたが自動的に考えてしまった負の思考(NATs)のみではなく、 誤った思考と訂正方法を参考に、 誤った思考の種類(破局思考・オールorナッシング思考・読心術思考・感情優先思考など)も合わせて記入しておきましょう。 『誤った思考』については、既にABCフォーム#1で習熟しているはずですので、ここまでは容易に記入できるようになっているはずです。

負の思考・誤った思考の議論と代替案枠(D)

   D列には、不健全な負の思考の全てについて詳しく考え、その思考を健全な思考で置き換える練習を行います。

負の思考・誤った思考の議論

   まず、不健全な負の思考を弱めるために、不健全な負の思考ごとに次の項目について、しっかりと自問自答してみてください。 そして、疑わしいものがあれば、具体的にD列に書き込んでください。 不健全な負の思考を抱いたのですから、正しくない、あるいは正しくないと疑われる項目がいくつか出てくるはずです。

負の思考・誤った思考の代替案

   上記の思考の議論をベースにあなたの感情をより良くする思考の代替案についてもD列に記入します。 思考の代替案を考える際には、次のように自問自答してみてください。 あなたが自動的に考えてしまった負の思考(NATs)のいくつかは相当頑固にあなたの心に刻み込まれているでしょうから、 これらのNATsが弱くなり、あなたが柔軟かつ建設的に考えられるようになるまで、繰り返し試行してください。
   強迫性障害(OCD)身体醜形障害(BDD)などの精神疾患は、 本来の性格や強固な信念に起因している部分が強いため、治療には時間がかかります。 破滅的な思考を無理に抑制したり、これに挑んだりせず、これらの思考が心に浮かぶことを許容し、そのような自分自身を冷静に客観視して、 代替案が浮かぶよう自らを導くことが重要です。 誰でも、不安を抱えている時は破滅的な思考が頭をよぎりますが、前頭葉でこれを押さえ込むことにより、より良い案を導いているのです。

思考代替案の効果枠(E)

誤った思考を置き換えることにより、あなたに起こった感情の変化や行動の変化を記入します。 一度の試行では変化が得られないかも知れませんが、変化が得られるまで繰り返すことが大切です。

感情の変化

   E列の『6.感情』の項目には、誤った思考を代替する思考に置き換えることにより、変化した感情を記入します。 『ABCフォーム#1の記入方法』において、 『不健康な負の感情』について簡単に触れましたが、 誤った思考を置き換えることにより、 『不健康な負の感情』が弱まったり、あるいは『不健康な負の感情』を『健康的な負の感情』の置換したりする効果が期待できます。 ここで、『健康的な負の感情』とは、脅迫に立ち向かったり、暴力ではなく自己主張により解決を図ったり、許しを請うたり、 前向きの行動を引き起こす可能性の高い『負の感情』を意味します。 それぞれの『不健康な負の感情』に対応する『健康的な負の感情』は、以下のような感情になります。

行動の変化

   E列の『7.新たな行動』の項目には、誤った思考を代替する思考に置き換えることにより、あなたが起こした新たな行動について記入します。 特別な出来事によりあなたが最初に取った行動が、思考をの代替案を考えることにより、具体的な行動の変化につながればしめたものです。 明らかな行動の変化が見られるようになるまで、トレーニングを継続することが大切です。 あせらず、あきらめずにじっくり取り組んでみましょう。


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