行動実験を成功に導く
行動実験が最大限の効果をもたらすよう、以下のような点に注意して、計画・実行するのが良いでしょう。
- 実験方法・難易度は適正か ・・・
あなたが選択した実験方法(何時、何処で、誰と、どのように)が適正であるか確認してください。
また、あなたにとって多少チャレンジングな難易度の実験が望ましいのですが、あなたに過度の負担を強いる実験にならないよう注意して下さい。
- 検証したい仮説を明確にする ・・・
漠然と『どうなるか見たい』というあいまいな目的で実験を行うのではなく、
あなたが検証したい仮説あるいは代替仮説を明確にしてから実験を行って下さい。
- 実験を楽しむ ・・・
実験を楽しむことが出来るよう、例えば『あなたがこのような行動を起こせば、同僚はこんな反応をするだろう』という具合に、
あらかじめ実験結果を予測してみましょう。
また、予測と実験結果との違いが発生した場合は、その原因について考えてみましょう。
- 科学者のように冷静に客観的に ・・・
仮説や代替仮説の立案や結果の分析を行う際には、科学者のように冷静に客観的に行って下さい。
くれぐれも、『破局思考』や『オールorナッシング思考』などの
誤った思考
に陥らないよう注意して下さい。
- 安全行動(Safety Behaviours)は適切か ・・・
行動実験において、あなたが取る安全行動は、結果の分析における仮説の確信度に影響を及ぼしますので、あなたの安全行動が適正であったか考えて下さい。
例えば、あなたの不安が増大した時、めまいを感じないように一生懸命集中して何かを考えるという安全行動を取ったとします。
しかし、もう少し我慢してこの安全行動を取らなければ、あなたは軽いめまいを感じるかも知れませんが、めまいは不安から来ていると確信することが出来るかもしれません。
勿論、失神しそうなほど強いめまいを感じる場合には安全行動を取るべきでしょうが、それ程過大な負担を強いる実験は適切とは言えないでしょう。
- 実験を通して発見した事実を整理・活用する ・・・
実験を通して発見した事実を整理し、十分でなければ、再度同じ実験を行うか、あるいは新しい実験を工夫するなどの方法を取るのが良いでしょう。
新しい実験においては、第2、第3の代替仮説が必要かも知れません。
また、発見した新しい事実を、あなたの行動の変化に活かせるようチャレンジしてください。
- 精神疾患の予防に行動実験を活用 ・・・
精神疾患を抱える方の多くが、無意識のうちに、複数の誤った思考をしています。
他の誤った思考についても行動実験を適用できないか考えてみましょう。
精神疾患は症状が軽ければ軽いほど回復が簡単です。精神疾患の治療だけでなく、予防にも行動実験を活用しましょう。