メタボリックシンドロームとは
メタボあるいはメタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome:代謝症候群)とは、
内臓脂肪型肥満に加え、高血圧・高血糖・高脂血症のうちいずれか2つ以上を合わせ持った状態をを言います。
メタボリック(Metabolic)とは代謝を意味し、G.M. Reavenが、1988年に発表した学説がベースになっています。
この学説とは、生活習慣病の三大要素(高血圧・糖代謝異常・脂質代謝異常)により、インスリン抵抗性が増し、心血管疾患を引き起こすというものです。
ここで、インスリンとは、すい臓から分泌されるペプチドホルモンの一種で、我々の体の中で分泌されるホルモンの中で、
唯一血糖値を下げることができるホルモンです。
そして、インスリン抵抗性とは、インスリンが分泌されても血糖値を十分下げられない状態のことです。
1998年にWHO(世界保健機関)が『メタボリック症候群』という名称でその診断基準を発表し、一般に『メタボ』として知られるようになりました。
メタボリックシンドロームの診断基準
日本肥満学会が中心になって決定しているメタボリックシンドロームの診断基準は、
ウエスト周囲径が男性 85cm 以上、女性 90cm 以上で、かつ下記の3項目のうちの2項目以上を満たすこととなっています。
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脂質異常 ・・・ 中性脂肪 150mg/dL 以上、あるいは HDL コレステロール 40mg/dL 未満。
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血圧 ・・・ 最高血圧 130mmHg 以上、あるいは最低血圧 85mmHg 以上。
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糖代謝異常 ・・・ 空腹時血糖 110mg/dL 以上。
メタボリックシンドロームの危険性
日本人の三大死因は、癌、心臓病、脳卒中ですが、この中で、心臓病と脳卒中は、動脈硬化が要因となる病気です。
メタボリックシンドロームになると、高血圧・高血糖・高脂血症などの危険因子が動脈硬化を進行させ、
その結果、心臓病や脳卒中といった命にかかわる病気に発展します。
例えば、心臓病の場合、
肥満、高血圧、高血糖、高脂血症の危険因子の内、
危険因子を2つ持つ人は、危険因子を全く持たない人の10倍程度、心臓病の発症リスクが高くなります。
そして、3~4個の危険因子を併せ持つ人は、何と30倍以上も心臓病の発症リスクが高くなるのです。
中高年の男性の2人に1人がメタボリックシンドロームまたはその予備群
平成16年の国民健康・栄養調査によれば、メタボリックシンドロームの人と、その一歩手前のメタボリックシンドローム予備群と考えられる人を合わせた割合は、
男女とも40歳以上でかなり高くなっており、
40~74歳では、メタボリックシンドロームの人は約 940万人、メタボリックシンドローム予備群の人は、約 1,020万人と報告されています。
特に、メタボリックシンドロームの人とその予備軍は、中高年の男性に多く、40~74歳の男性の 2人に1人が該当すると言われています。
一方、女性は、5人に1人が該当すると言われています。