イタリアでは、古くから泥を用いた民間療法『ファンゴセラピー（Fango Therapy）』が、 リウマチの治療、体のこりの解消、美容などの目的で実施されており、イタリアでは保険が適用されるほど一般的なセラピーになっています。 ここで、ファンゴとは、イタリアの温泉泥のことです。 ファンゴには、カルシウムやマグネシウムなどミネラルや、温泉中にある人体に有益なバクテリアが濃縮されているため、 短期間で、長期間温泉に入るのと同等の効果が得られると考えられ、 高級エステでも人気の美肌・美白プログラムになっています。

方法は極めて簡単です。 全身にファンゴを塗布した後、保温するため、ビニールシートと毛布で包み、そのまましばらく待ちます。 その後、洗い流して、ぬるめのお湯に入って仕上げるだけです。 要するに、ファンゴセラピーとは全身泥パックと言えるでしょう。 ポイントは、ファンゴの成分、粒子の細かさ、あるいはその特徴です。

   上記の通り、ファンゴセラピーの方法は簡単ですが、ポイントとなるのは、ファンゴの選定です。 ファンゴの選定で重要な点は、次のの2点です。

• 汚れの吸着力
• ミネラル成分とその含有量

この特徴に優れた、世界の５大クレイの特徴は、以下の通りです。

   韓国・コチャンで採取されたものは良質として知られています。 韓国王朝では美を追究する女性たちに愛用され、 現在では、デトックス効果により毛穴を綺麗にする効果があることで、韓国の美容界で有名なファンゴになっています。 『生きているファンゴ』あるいは「神秘のファンゴ』などとも呼ばれる希少なファンゴです。

   北アフリカ・モロッコで採掘されるファンゴで、 カリウム、カルシウム、ナトリウム、チタン、マグネシウムなどのミネラルがたっぷり含まれており、 高い保湿効果があります。 また、ガッスールには、強い吸着力があり、 皮膚の汚れや老廃物を吸着して取り除く効果が高いため、 古くから石鹸やシャンプー、あるいはパックとして、現地の女性の間で珍重されてきました。 汚れや余分な皮脂をしっかり落とすことが出来るため、ニキビの予防にも役立ちます。

   ベントナイトとは海底・湖底に堆積した火山灰や溶岩が変質することで出来上がったファンゴで、モンモリロナイトという鉱物の微粒子が主成分です。 このため膨潤性、増粘性、吸水性、吸着性、陽イオン交換性などに優れているため、 『1000の用途を持つファンゴ』と呼ばれ、化粧品のほか、医薬品や洗剤など、 さまざまな分野で活用されています。 中でも化粧品に配合すると、油脂分のベトつきを消し、サラッとした肌ざわりになる効果が得られます。

   フランスのパリ近郊で採取され、ヨーロッパ地域で親しまれているファンゴです。 主成分はカオリンであり、弱酸性で高濃度のアルミニウムを含んでおり、古くから飲み薬としても 利用されてきました。 敏感肌のクレンジングやクレイバスなどにも 使用されています。 カオリンは、肌の収斂作用があり、、肌が引き締まる感じがします。

   海底に数百年にわたって堆積した、5ミクロン以下の微細粒子のファンゴです。 沖縄では『クチャ』とも呼ばれており、沖縄の中でも特定の地域でしか 採取できない、希少価値の高い海泥です。 吸着力がきわめて高く、毛根の油脂や古い角質のたんぱく質など、目に見えない 汚れまでを取り除き、肌に透明感と潤いを与えます。

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